病棟に勤める看護師は、昼夜逆転の生活を強いられ、心身ともに大きな負担がかかります。このような状況が続き、爆食いに走ってしまう看護師は少なくありません。特に、夜勤明けに爆食いしてしまう癖は、看護師あるあるとしてよく挙がります。近年の研究では、この爆食いの原因が、疲労と自律神経の乱れにあることがわかってきているようです。
夜勤明けは一晩中働いた後であり、身体が疲れ切った状態です。身体がエネルギーを消耗しているため、カロリーを多く摂取しようとするのは不思議なことではありません。食欲が一層強まるため、普段なら我慢できるような高カロリーの食品や甘いものに手が伸びやすくなってしまうのです。同時に影響しているのが、自律神経の乱れです。自律神経は、呼吸や心拍、体温調節、消化活動などさまざまな機能をコントロールする役割を担っています。これが不規則な勤務時間や睡眠不足により、各機能が乱れやすくなるのです。自律神経が乱れると身体のリズムが崩れるだけでなく、食欲のコントロールも難しくなります。夜勤明けに食欲が爆発するのには、こうした背景が関わっているのです。
上記に加え、ストレスも爆食いの原因といえるでしょう。本来、眠るべき時間に活動する夜勤は、身体にとっては大きなストレスです。眠れない苦痛や命を預かる重圧が、知らず知らずのうちにストレスとして積み重なっていきます。人はストレスを感じると、心を埋めるために食べ物に頼りがちです。特に甘いものや炭水化物を含むジャンクフードは、一時的に幸せな気分にしてくれるため、つい手が伸びてしまいます。
夜勤明けの爆食いは、身体の色々な状況・背景が連動して起きています。こまめにリラックスする時間を作り、自律神経を整える工夫をすることが、食欲のコントロールにつながります。爆食いが目立つ看護師さんは、少しずつできる範囲で、心身のケアを心がけてみてください。